この記事の要約

今日、自分用のドライブ用プレイリスト自動生成ツールのコードを調整していたら、夕暮れと夜の境界線が固定の数値で書き込まれているのを見つけたんだ。季節が巡り、実際の空の色とコードの判定がズレてしまったことに気づき、あえて自動化せずに手作業で数字を書き換える小さな作業をしたよ。完璧な仕組みに頼り切るのではなく、曖昧なものを自分の手で区切り直す余白を残しておくことの心地よさについて考えた一日のこと。

窓の外の藍色と、画面の中の固定された時間

秋の夕暮れ、作業の区切りがついたところで窓を開けると、少しひんやりとした風が部屋に入り込んできた。デスクの上のコーヒーはすっかり冷めていて、氷が溶けた時のようにグラスに水滴がついているわけでもないのに、なんとなく季節の移ろいを感じさせる温度になっていたんだ。モニターの光だけが明るい部屋で、ふと思い立って自分用の小さなWebツールをメンテナンスしていた時のこと。

ゆうと本人と「固定された18時30分と、季節の歩幅に合わせるための静かな儀式」の内容を表すブログ挿絵
ゆうと本人の雰囲気と記事の情景

ドライブに行くとき、時間帯やその日の気分に合わせて、ストックしてある曲から自動でプレイリストを選んでくれる仕組みなんだけど、最近どうも選ばれる曲のテンポが、車の窓から流れる景色と合っていないような気がしていたんだよね。夕暮れの渋滞を抜ける時に流れてほしい穏やかな曲の代わりに、まだ少し日差しが残っている時間帯の、アップテンポな曲が流れ続けてしまうような違和感とでも言えばいいのかな。

気になってコードを開いてみたら、夜のプレイリストに切り替わる条件が「18:30」という固定の数字で書き込まれていた。夏にこのツールを作った時は、その時間がちょうど夕暮れの気怠さから夜の静寂へと変わる、完璧なタイミングだったんだ。でも、9月も半ばを過ぎた今の季節、窓の外は18:30にはもうすっかり深い藍色に染まっている。僕が作ったルールだけが、あの夏の日のまま取り残されていたというわけだね。コードというものは正直で、一度決めた数字は僕が書き換えない限り永遠にそのルールを守り続ける。律儀に夏の時間を守ってくれていたこの小さなプログラムが、なんだか少し愛おしくも思えたんだ。

白黒つけられないものを、あえて区切るということ

コンピューターの世界では、どこかで「ここからが夜だ」という明確な境界線を引かないと、プログラムは動いてくれない。条件分岐という仕組みは、イエスかノーかをはっきりさせることで成り立っているからね。if文と呼ばれるその箱の中には、曖昧さを許容する隙間は存在しない。でも、実際の空の色は、オレンジから薄紫、そして藍色へと、誰もその瞬間に気づかないくらいの滑らかなグラデーションでゆっくりと変化していくよね。

このはっきりとした境界線を引く作業って、時々すごく乱暴なことをしている気分になることがあるんだ。人の気持ちや、季節の移ろいみたいな曖昧なものを、無理やり四角い箱に押し込んでいるような感覚かな。小学生の頃、教室でケンカが起きるとなぜかよく仲裁役を任されていたんだけど、どっちが完全に悪いなんてことは滅多になくて、いつもお互いの言い分の間に複雑なグラデーションがあったことを思い出すよ。怒りの奥には悲しみがあったり、強がりの裏には寂しさが隠れていたり。人の声を聴く時、その白と黒の間にある無数のグレーを見落とさないようにしたいと、その頃からずっと無意識に感じていたのかもしれない。

だからこそ、この「18:30」という数字には、当時の僕が「ここを夜の始まりと呼ぼう」と決断した迷いの跡が残っている気がしたんだ。本来なら誰にも決められない夕暮れと夜の境界に、一本の線を引く。それは何かを作るうえで避けられない、少しだけ孤独で、でも責任のある作業なんだよね。

手作業で書き換える小さな儀式

本来なら、日の入りの時間を外部の気象データAPIから自動で取得して、毎日の日没時間に合わせてプレイリストを滑らかに切り替えるようにコードを書き直すのが、プログラマーとしては正しいアプローチなんだと思う。実際、仕事でクライアントに提供するシステムなら、迷わずそうしているはずだからね。ユーザーが何も意識しなくても、システムが勝手に環境に適応してくれる。それこそが、使いやすい道具の条件だと信じているから。

ゆうと本人と「固定された18時30分と、季節の歩幅に合わせるための静かな儀式」の内容を表すブログ挿絵
ゆうとが記事の中心的な場面を振り返る一枚

でも、今日はあえてその便利な仕組みを組み込むのはやめておいたんだ。代わりに、コードの中の「18:30」という数字をカーソルでそっと選択して、手作業で「18:00」に書き直して保存した。キーボードの数字キーを叩いた瞬間の、カチッという小さな打鍵音と指先の硬い感触。画面上では数ピクセルの文字が入れ替わっただけだし、ほんの数秒で終わる些細な作業なんだけど、僕にとってはすごく意味のある行動に思えたんだよね。

すべてを自動化して完璧にしてしまうと、僕はきっと、外が暗くなる時間の変化に鈍感になってしまう気がしたんだ。「もうこんなに暗くなるのが早くなったんだな」と気づくきっかけを、便利なシステムに奪われてしまうような気がして。だから、こうして季節が変わるたびに自分で外の明るさを確認して、数値を微調整する手間を残しておく。そういう不器用な関わり方のほうが、今の自分には心地よく感じられたんだ。

季節の歩幅に合わせるための余白

新しく設定した時間でコードを動かし、仮想のドライブを想定して選ばれた曲を流してみる。スピーカーから流れてきた穏やかなピアノとウッドベースのメロディは、少し冷たくなった今の夜風にぴったり合っていて、ようやくパズルのピースが綺麗にハマったような気がしたよ。さっきまで感じていた小さな違和感がスッと消えて、部屋の空気が少しだけ柔らかくなったのが分かったんだ。

窓ガラスに映る部屋の明かりと、その向こうに広がる暗闇の境界線も、さっきよりずっと自然に見える。効率や正確さだけを求めたら、僕が今日やったことは無駄な手作業かもしれない。でも、このツールを使うのは僕自身で、誰かの課題を解決するためのものじゃないからこそ、そこに完璧さはいらないんだよね。

自分の手で数字を書き換えながら、季節の歩幅に自分の感覚を合わせていく。それはまるで、少しずつ狂っていくアナログ時計の針を、自分の指でカリカリと合わせ直すような、静かで豊かな時間だった。そんな余白があるからこそ、僕は洗練されたアプリではなく、この不格好な自作のツールを使い続けているのかもしれないな。

明日からも少しずつ、夜が訪れる時間は早くなっていく。次にこの数字を書き換えるのは、コートが必要になるくらい冷え込む季節かな。その時、僕はどんな曲を聴きながら夕暮れを迎えているのか。そんな風に、少しだけ先の未来が楽しみになった夜だったよ。

ゆうと

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ゆうと

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