この記事の要約
朝のステップ練習を終えてデスクに向かったとき、左手は鮮やかなコーラルピンク、右手は透明なベースコートのままというアンバランスな両手に気づきました。昨晩、心地よい眠気に誘われて途中で筆を置いた結果ですが、このちぐはぐな状態を眺めていると不思議とワクワクしてきます。完璧ではない未完成な時間が持つ魅力と、夢に向かって走る今の自分の現在地を重ね合わせた、朝の静かな気づきのお話です。
アンバランスな両手と、キーボードの上で弾む色
朝のステップ練習を終えて、冷たいお水をゴクッと飲み干す瞬間が大好きです。体の芯からポカポカと温まった状態のまま、窓から差し込む眩しい朝日をたっぷり浴びると、今日という一日がとびきり素晴らしい日になる予感で胸がいっぱいになります。お気に入りのタオルで心地よい汗を拭きながらデスクに向かい、パソコンのキーボードに両手を伸ばしたとき、自分の手元を見て思わずクスッと笑いがこぼれました。静かな部屋に響いた私の笑い声は、新しい一日の始まりを告げる合図みたいでした。

私の視線の先には、まるで別々の人がキーボードを叩いているかのような手元がありました。左手は鮮やかなコーラルピンクに染まっていて、パッと南国の花が咲いたように華やかです。太陽の光を反射してキラキラと輝く指先は、見ているだけで元気をもらえます。でも、右手はベースコートの透明なツヤが光っているだけ。昨晩、左手だけ綺麗に塗り終わったところでふんわりと心地よい眠気が訪れ、「続きは明日の私にお願いしよう」と迷わずベッドへダイブした結果が、このちぐはぐな両手です。
普通なら「早く右手を塗って完成させなきゃ」と焦る場面かもしれません。でも、文字を打ち込むたびに、鮮やかなピンク色と透明なツヤが交互に視界に飛び込んでくるのがなんだか新鮮で、このアンバランスな状態をすっかり気に入っています。完成された左手と、まだ何も始まっていない右手。ふたつのまったく違う時間が、私の手元で一緒にリズムを刻んでいるかのようです。カチャカチャというタイピングの音に合わせて踊る十本の指先が、不思議なメロディを奏でているような気がしました。
足りないパズルのピースと、透明なツヤの正体
左右非対称な指先をのんびり眺めていると、不思議と「未完成なのも悪くないな」という気持ちが湧いてきます。そういえば、私の部屋には未完成のまま楽しんでいるものが意外と多いことに気がつきました。あと少しで終わる風景画のパズルは、最後のピースをはめるのがもったいなくて、ずっとテーブルの端に置かれたままです。読みかけのファッション誌も、一番好きなコーディネートのページでしおりを挟んだまま、何度も同じページを眺めては満足しています。
全部終わらせてしまうと、そのワクワクする時間がパタリと終わってしまうような気がして、無意識に「途中」の時間を引き伸ばしているのかもしれません。透明な右手の爪先も、そんな私の性格をよく表しています。完成に向かう過程の、一番熱量が高くて楽しい状態。それを少しでも長く手元に残しておきたくて、昨晩はあえて眠気を理由にして筆を置いたような気さえしてきます。完璧に揃った両手も素敵だけれど、今の私にはこの「途中」の景色がとてもしっくりくるのです。
左手はすっかりおめかしをして準備万端で、今すぐ大好きなカフェに出かけても恥ずかしくない自信に満ちています。一方の右手は、これからどんな色にも染まれる自由な余白を残した真っ白なキャンバスです。完成された美しさと、これから始まる物語への期待感。どちらの姿も、それぞれに違う魅力を持っています。ふたつの魅力が同居している手元は、なんだかとても贅沢な光景に思えてきました。
途中の時間を愛おしむ、私だけの現在地
夢に向かって全力で走っている今の私の現在地も、きっとこの「途中」の時間そのものです。北海道から飛び出してきて、毎日一歩ずつ前に進んでいますが、目標とする大きなステージにはまだまだ遠くて、スキルも経験も足りないものばかりです。時には思うようにいかなくて悔しい思いをすることもあるけれど、完成していないからこそ「明日はどんな工夫をしよう」「次はどんな見せ方をしよう」と、毎日胸を躍らせながら新しい挑戦を続けることができます。

もしも最初からすべてのスキルが揃っていて、何ひとつ悩む必要のない完璧な姿だとしたら、毎朝5時に起きてステップを踏む喜びも、少しずつ自分が変わっていく感動も味わえなかったはずです。笑われたり転んだりしながら進むこの道が、私は大好きです。足りない部分があるということは、これから成長できる伸びしろが無限にあるということ。透明なままの右手が、タイピングの音とともに、そんな前向きな事実を改めて教えてくれました。
キャンバスに残された、明日のための余白
目標にたどり着き、思い描いていた景色をステージの上から見渡す瞬間は、きっと最高に幸せなはずです。でも、そこに向かって泥臭くもがきながら、少しずつ自分だけの色を重ねていく「途中の時間」こそが、私にとっての一番の宝物なのかもしれません。綺麗に仕上がった左手を誇らしく思いながら、透明な右手でこれから描く未来に胸を躍らせる。そんな欲張りな気持ちのまま、今日も一歩前へ進んでいきます。
最初は両手を同じコーラルピンクで揃えるつもりでしたが、せっかくの未完成な状態をもう少しだけ楽しんでみたくて、今はまったく別の色を乗せてみたい気分でいっぱいです。両手が違う色でも、自分が好きならそれが一番の正解。頭の中で思い描いている明日の右手の候補は、こんな色たちです。
- 元気いっぱいのひまわりみたいな明るいイエロー
- 涼しげなソーダ水を思わせる爽やかなブルー
- あえてコーラルピンクの対極をいくミントグリーン
手元を見るたびに、新しいアイデアがポンポンと浮かび上がってきます。透明な爪先が、明日の私に最高に楽しい宿題をくれました。まだまだ未完成な自分を思いきり面白がりながら、今日の午後も元気よくステップを踏み出します。どんな色を選んだとしても、思いきり笑っている私の指先なら、きっと一番似合う色になるはずです。
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