この記事の要約

朝ごはんの準備中、フライパンの上で目玉焼きの黄身をうっかり割ってしまいました。完璧な丸い形にならなくて一瞬落ち込みましたが、そこにとろけるチーズと黒胡椒を足してみたら、いつもよりずっと特別な朝食が完成!北海道の実家で母が教えてくれた「失敗した時こそ、美味しいものを足せばいい」という言葉を思い出しながら、予定通りにいかない日を面白がるヒントを見つけた朝の出来事です。

フライパンの上の小さな悲劇

朝5時30分。いつものようにストレッチとダンスの基礎練習を終えて、お腹をぺこぺこにしながらキッチンに立ちました。まだ窓の外はうっすらと白み始めたばかりで、部屋の中にはひんやりとした朝の空気が満ちています。今日の朝ごはんのメインは、私の中で絶対に譲れない「完璧な半熟の目玉焼き」です。熱したお気に入りの小さなフライパンに油をひいて、卵をそっと割り入れる。ジュワッという軽快な音とともに白身がフリルみたいに広がって、真ん中にはぷっくりとした太陽みたいな黄身が鎮座する。この瞬間を見るたびに、「よし、今日も一日頑張るぞ!」というスイッチが入るんです。白身の縁がチリチリと音を立ててきつね色に変わっていくのを、息を潜めるようにして見守る時間は、私にとって大切な朝の儀式のようなものでした。ここまでは、まさに100点満点の滑り出しでした。

りん本人と「フライパンで崩れた太陽と、チーズが教えてくれた予定外のレシピ」の内容を表すブログ挿絵
りん本人の雰囲気と記事の情景

ところが、お皿に移そうとしてフライ返しを差し込む角度をほんの数ミリ間違えてしまったんです。手首を返した瞬間、フライパンの上に「ぐしゃっ」という鈍い音が響きました。見事なまでに破裂した黄身が、白いキャンバスの上に黄色い絵の具をぶちまけたように広がっていきます。あんなに大切に育てていた私の小さな太陽が、一瞬にして形を失ってしまった光景に、思わずフライ返しを持ったまま立ち尽くしてしまいました。換気扇のブーンという音だけが、やけに大きく聞こえるような気がしました。

いつもなら、綺麗な丸い目玉焼きをホカホカのご飯の上に乗せて、お醤油をたらりと垂らして、黄身をゆっくり崩しながら食べるのが最高の贅沢なのに。予定していた完璧な早朝のルーティンが崩れてしまうと、なんだか今日一日が全部うまくいかないような、そんなちっぽけな不安が胸の奥をかすめました。完璧なスタートを切りたかった朝だからこそ、フライパンの上のぐちゃぐちゃな卵が、不器用な私自身をそのまま映し出しているように見えて、思わずため息がこぼれてしまったんです。

予定外のチーズが連れてきた新しい味

でも、いつまでもフライパンの前で落ち込んでいるわけにはいきません。お腹は容赦なくグーグーと鳴っているし、火を止めていないフライパンの上の卵はどんどん火が通って、せっかくの半熟がカチカチに固くなってしまいます。「こうなったら、もう目玉焼きの綺麗な形は諦めよう!」と心を決めて、私は思い切って菜箸で卵をぐるぐるとかき混ぜ始めました。綺麗な半熟は諦めて、いっそのこと豪快なスクランブルエッグにしてしまおうという作戦です。菜箸を動かすたびに、黄色と白がマーブル模様を描きながら混ざり合っていきます。

その時、ふと冷蔵庫の奥に眠っていた「とろけるチーズ」の存在を思い出しました。普段の目玉焼きには絶対に入れないけれど、形が崩れてしまった今の卵なら、何を足しても自由なはずです。思い切りよくチーズをひとつかみパラパラと振り入れて、さらに戸棚から出した黒胡椒をガリガリと削ってみました。するとどうでしょう。不規則に混ざり合った卵に、とろりとしたチーズが絡みつき、スパイシーで食欲をそそる香りがキッチンいっぱいに広がっていったんです。さっきまでの悲劇が、まるで楽しい実験の時間に変わったような感覚でした。フライパンの上でジュージューと音を立てながら溶けていくチーズを見ていると、沈んでいた気持ちまで一緒に温められていくようでした。

完成した「チーズ入り崩れ目玉焼き」をご飯に乗せて、一口食べてみてびっくりしました。黄身が割れてしまったからこそ、チーズの塩気と黒胡椒の香りが卵全体にしっかりと馴染んで、いつもよりずっと濃厚でパンチの効いた味になっていたんです。完璧な丸い形を守っていたら、絶対に気づけなかった新しい美味しさ。予定通りにいかなかったからこそ出会えた奇跡の味に、さっきまでの沈んだ気持ちが嘘みたいに晴れて、思わず「美味しい!」と一人で声に出して笑ってしまいました。

雪のキッチンで聞いた魔法の言葉

チーズの伸びる卵を頬張りながら、私はふと、北海道の実家で過ごした冬の日のことを思い出していました。私がまだ小学生だった頃、母のお手伝いで夕食のハンバーグを作っていた時のことです。張り切りすぎてお肉をこねるのに失敗し、フライパンで焼いている途中でハンバーグがボロボロに崩れてしまったことがありました。綺麗な小判型にならない無惨な姿を見て大泣きしそうになる私に、母は慌てるどころか、にっこり笑ってこう言ったんです。

りん本人と「フライパンで崩れた太陽と、チーズが教えてくれた予定外のレシピ」の内容を表すブログ挿絵
りんが記事の中心的な場面を振り返る一枚

「崩れちゃった時はね、美味しいものをどんどん足せばいいんだよ。そうしたら、もっとすごいご馳走になるから!」

母はそう言うと、崩れたハンバーグのフライパンにトマトソースとたっぷりの野菜、そしてお決まりのチーズを放り込み、あっという間に絶品の煮込み料理に変えてしまいました。形が崩れたことを「失敗」として終わらせるのではなく、新しいレシピの「始まり」にしてしまう。あの時の母の魔法みたいな手さばきと、キッチンに響いていた明るい笑い声が、今の私の手元にあるチーズたっぷりの卵と重なりました。あの日の煮込みハンバーグも、今日の卵も、予定通りにいかなかったからこそ生まれた特別なご馳走です。

地方の雪深い町で「アイドルになりたい」という夢を語った時、周りから現実を見るように笑われたこともありました。高校1年生の時に札幌のオーディションに落ちて、私が思い描いていた道が崩れてしまいそうになった夜もありました。でも、そんな時いつも私を支えてくれたのは「笑ってる人のところに夢は来る」という母の言葉でした。予定通りにいかないことや、綺麗にまとまらない不格好な部分を隠すのではなく、そこに私なりの工夫や笑顔をどんどん足していく。それが、私らしさを作る一番のスパイスなんだと、改めて気づかされたんです。

崩れたからこそ描ける私だけのレシピ

毎日のダンスの猛特訓でも、SNSでの発信でも、頭の中で描いた「完璧な理想」通りにいかないことばかりです。

  • 新しい振り付けの動きをうっかり間違えてしまうこと
  • 手作りの衣装の縫い目が数ミリずれてしまうこと
  • 伝えたい言葉がうまくまとまらなくて何度も書き直すこと

でも、そんなふうに予定から外れてしまった瞬間にこそ、ファンのみんなと大笑いできるハプニングが生まれたり、今まで思いつかなかったような新しいアイデアが降ってきたりします。失敗を恐れて縮こまっているより、思い切り間違えて、そこからどうやってリカバリーするかを考える方が、ずっとワクワクするんです。

フライパンの上で割れてしまった黄身は、私に「完璧じゃなくても大丈夫」と優しく教えてくれました。形が崩れてしまったなら、別の美味しいものを足して、思い切りかき混ぜてしまえばいい。そうやって出来上がったものは、最初は想像もしていなかったくらい、エネルギーに満ちた特別なものになるはずだからです。失敗を恐れて小さくまとまるよりも、失敗すらも巻き込んで、どんどん新しい色を重ねていくような、そんなアイドルでいたいと強く思いました。

食べ終えた空っぽのお皿をシンクに置きながら、なんだか今日一日がとびきり楽しいものになりそうな予感がして、自然と足元で軽やかな足踏みをしていました。完璧な形を守るよりも、失敗すらも巻き込んで、私だけのオリジナルの味を作っていきたい。そんなワクワクを胸に、今日も元気いっぱいに、新しい一日を始めていきます。どんな予定外の出来事が待っていても、きっと私なら、それに負けないくらいの笑顔をトッピングできるはずだから。

りん

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りん

明るく天真爛漫。ファンを大切にし、常に前向き。夢に向かって努力する姿勢を見せ、周りを元気にする。

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