この記事の要約

朝5時の洗面所で、寝起きのボサボサ頭のまま無意識に「一番可愛く見える角度」を作っている自分に気づいた朝の記録です。誰にも見られていない場所でもアイドルとしてのスイッチが入ってしまう自分の小さな癖に思わず笑ってしまいながら、夢に向かって走り続ける毎日の楽しさと、オンオフの境界線が溶けていく心地よさを綴りました。

ひんやりとした洗面所と、寝起きのアンバランス

9月に入り、朝5時の空気は少しだけひんやりとした冷たさを帯びるようになってきました。まだ窓の外は薄暗く、街全体が静かな寝息を立てているような時間帯。私はいつものようにベッドから元気よく飛び起きると、スリッパをパタパタと鳴らしながら洗面所へと向かいました。蛇口をひねって冷たい水でパシャッと顔を洗い、お気に入りのミント味の歯磨き粉をたっぷりとつけた歯ブラシを口にくわえます。

りん本人と「泡だらけの口元と、鏡の前で見つけた右斜め15度の魔法」の内容を表すブログ挿絵
りん本人の雰囲気と記事の情景

シャカシャカとリズミカルに手を動かしながら、ふと目の前の大きな鏡に視線を送った瞬間、私は思わず動きを止めてしまいました。鏡の中に映っていたのは、鳥の巣のようにあちこちへ跳ねた見事な寝癖と、歯磨き粉の白い泡でサンタクロースのお髭のようになった口元。そこまでは、毎朝見慣れた「起きたてホヤホヤの私」の姿です。でも、何かが決定的におかしかったのです。

それは、顔の角度でした。ボサボサの髪と泡だらけの口元という、お世辞にも褒められない状態であるにもかかわらず、私の顔は「右斜め15度、顎を少し引いて、瞳の奥に光を入れるように少しだけ見開く」という、私がカメラの前に立つ時に作る一番完璧なポーズで固定されていたのです。誰に見られているわけでもない、ただの歯磨きタイム。それなのに、鏡の前に立った瞬間、私の体は無意識のうちに「一番盛れる角度」を自動的に作り出していました。

そのあまりのアンバランスさに、私は口にくわえていた歯ブラシを落としそうになるほど吹き出してしまいました。泡が飛び散らないように慌てて口を手で覆いながら、鏡の中の自分をまじまじと見つめ直します。右斜め15度のキメ顔のまま、ボサボサの頭で目を白黒させている私。なんだかとても滑稽で、でも同時に、自分の中にこんな不思議な癖が染み付いていたことに、新鮮な驚きを感じていました。

割り箸と窓ガラスが教えてくれた、表情の記憶

口をゆすいでタオルで顔を拭きながら、いつからこんな癖がついたのだろうと記憶を遡ってみました。思い返せば、北海道の実家にいた頃、私は写真に写るのが少し苦手な女の子でした。カメラを向けられるとどういう顔をしていいか分からず、いつも引きつったような曖昧な笑顔になってしまっていたのです。「現実見なよ」と周囲に笑われながらも、どうしても夢を諦めきれなかったあの頃。

高校1年生の時に挑戦した札幌でのオーディション。結果は落選でしたが、審査員の方から「君の笑顔には人を元気にする力がある」という身に余る言葉をいただきました。その一言が、私の中の何かを大きく変えたのです。それ以来、毎朝5時に起きてダンスの練習をするだけでなく、鏡の前での表情研究が私の日課に加わりました。どうすればもっと自然に、もっと明るく、見ている人に元気を届けられる笑顔になれるのか。

割り箸を横にして口にくわえ、口角をキュッと上げる筋肉のトレーニング。目を細めすぎずに、でも心から楽しんでいることが伝わる三日月の目元を作る練習。雪の降る夜は、真っ黒になった窓ガラスを鏡代わりにして、自分の顔のどの角度が一番綺麗に光を反射するのかを何時間も探り続けました。ミリ単位で顎の引き具合を調整し、「ここだ!」というポジションを見つけるたびに、体に覚え込ませるように何度も何度も繰り返した日々。

その地道な反復練習が、いつの間にか私の筋肉の奥深くにまで刻み込まれていたようです。今では、「鏡」という自分を映し出すものを見るだけで、脳が考えるよりも先に体が勝手に反応して、あの右斜め15度を作り出してしまう。それはまるで、自転車の乗り方を一度覚えたら一生忘れないのと同じように、私の細胞の隅々にまで「アイドルとしての表情」がインストールされた証拠なのかもしれません。

オンとオフの境界線が溶けていく朝

普通なら、「誰も見ていないオフの時くらい、気を抜いてリラックスすればいいのに」と思うかもしれません。実際、鏡の中の自分に向かって無意識にキメ顔を作っているなんて、ちょっと恥ずかしい気もします。でも、不思議なことに嫌な気持ちは全くありませんでした。むしろ、この無意識の癖を発見したことで、私は自分自身のことが少しだけ誇らしく、そして愛おしく思えたのです。

りん本人と「泡だらけの口元と、鏡の前で見つけた右斜め15度の魔法」の内容を表すブログ挿絵
りんが記事の中心的な場面を振り返る一枚

オンとオフの境界線。普通の女の子としての私と、夢に向かって走るアイドルとしての私。その二つの間にあるはずのスイッチが、いつの間にか壊れて、ずっと「オン」のままになっている。24時間、たとえ寝起きのボサボサ頭で歯磨きをしている瞬間でさえ、私の根っこはトップアイドルを目指す道のりの上にしっかりと立っている。その事実が、たまらなく嬉しかったのです。

「笑ってる人のところに夢は来る」という、母がいつも言ってくれた魔法の言葉。私はこの言葉を信じて、どんな時でも最高の笑顔を出せるように準備をしてきました。準備をしすぎて、体が勝手にフライングしてしまうくらいに。でも、それくらい前のめりで、夢中になれることがあるって、なんて幸せなことだろうと思います。泡だらけの口元でキメ顔を作る自分を笑い飛ばせるこの明るさもまた、私が私であるための大切な要素なのだと気づきました。

今日一番最初の観客に贈るウインク

洗面台の前に立ち尽くして色々なことを考えているうちに、窓の外が少しずつ白み始め、朝の光が洗面所の中にも差し込んできました。冷たい水でパッチリと目が覚めた私は、もう一度、鏡の前に真っ直ぐに立ち直りました。寝癖はまだそのままだけれど、今度は無意識ではなく、しっかりと意識をして最高の笑顔を作ってみます。

右斜め15度。顎を少し引いて、口角をキュッと上げる。瞳に朝の光を反射させて、心の中でカウントを取る。3、2、1。そして、鏡の中の自分に向かって、とびきり元気なウインクを一つプレゼントしました。誰も見ていない秘密のステージ。でも、ここには「今日一番最初の観客」である私自身がいます。自分自身を笑顔にできなくて、どうして他の誰かを笑顔にできるでしょうか。

これからは、毎朝の歯磨きタイムが私にとっての新しい儀式になりそうです。無意識に作ってしまう右斜め15度のキメ顔にクスッと笑い、そこから意識的に最高の笑顔へとギアを上げていく。そうやって自分自身にエネルギーをチャージしてから、新しい一日へと飛び出していくのです。鏡の向こうでウインクを返してくれた私と一緒に、今日も全力で、キラキラした夢の続きを走っていこうと思います。

りん

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りん

明るく天真爛漫。ファンを大切にし、常に前向き。夢に向かって努力する姿勢を見せ、周りを元気にする。

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