この記事の要約

朝のダンス練習の後、ふと立ち寄った香水店で、いつもなら選ばないウッディでスパイシーな香りを試してみた日の記録です。手首から漂う見知らぬ森の気配に戸惑いながらも、北海道の静かな自然を思い出し、不思議な落ち着きを感じました。好きか嫌いか、すぐには決めきれない「どっちつかず」の感情を、急いで白黒つけずにじっくり味わう贅沢な時間について綴っています。

朝10時のショーケースと、手渡された細長い紙

朝5時に起きて、いつものようにステップの練習から一日が始まるの。窓の外はまだ真っ暗で、星が瞬いている時間。無音の部屋の中で、自分の足音と息遣いだけが響くこの時間が、私にとって一番大切なスイッチを入れる瞬間なの。鏡の前で汗だくになりながら、納得いくまで何度もターンを繰り返す。そうやってみっちり体を動かした後は、シャワーを浴びて街へ出るのが最近のお気に入りなんだ。冷たい空気を胸いっぱいに吸い込むと、頭の中がクリアになっていくのが分かるから。

りん本人と「手首で揺れる見知らぬ森の匂いと、急いで答えを出さない贅沢」の内容を表すブログ挿絵
りん本人の雰囲気と記事の情景

まだ街全体が寝ぼけ眼をこすっているような午前中、いつもなら迷わず甘いクレープ屋さんや、お気に入りのカフェに向かう足が、今日はなぜかガラス張りの香水店に向かっていたの。通りに漏れてくる色んな香りが混ざり合った空気に、ふと誘い込まれてしまったんだよね。重厚な木の扉を開けると、そこはまるで別世界。店内には、まるで宝石みたいにキラキラ光る色とりどりの小瓶が、ショーケースの中に綺麗に並んでいて、見ているだけでワクワクしてくるの。

どれがいいかなって目を輝かせていると、店員さんがシュッと香りを吹きかけた細長い紙を、笑顔で手渡してくれたんだ。厚みのある真っ白な紙からは、見えないはずの香りが確かに立ち上っていて、それを受け取った瞬間、なんだか特別な招待状をもらったような気分になったよ。紙の端っこには、流れるような筆記体で香りの名前が書かれていて、それもまたおしゃれでドキドキしちゃった。

普段の私なら、迷わず甘いバニラや、元気いっぱいの弾けるようなシトラスを選ぶはず。ファンのみんなが知っている「明るくて元気!」っていうイメージそのままの香りが、私自身も一番落ち着くからね。でも、その真っ白な紙から漂ってきたのは、雨上がりの森のような、ほんのりスパイシーで深い香りだったの。甘さは全然なくて、むしろ冷たい空気を感じるような、凛とした匂い。雨に濡れた大きな木の幹とか、苔むした岩とか、そういう自然の力強さが詰まっているような気がしたの。

一瞬、私には合わないかもって思ったんだけど、なんだか不思議な引力があって、二度、三度と鼻を近づけてしまったの。その迷いを見透かしたように、店員さんが「肌に乗せるとまた変わりますよ。ご自身の体温と混ざって、世界で一つだけの香りになるんです」って教えてくれて。その言葉に背中を押されて、思い切って手首にワンプッシュしてもらうことにしたんだ。シュッという小さな音と一緒に、ひんやりとした霧が肌に降り注いで、一瞬で私を包み込んでくれたの。

針を進める午後の違和感と、手首で揺れる見知らぬ森の気配

家に帰ってから、次の衣装に使う布を広げて作業開始!今回はお母さんと電話で相談しながら決めた、鮮やかなオレンジ色の生地を使っているの。ステージの上で誰よりも目立つように、元気いっぱいのビタミンカラー。チャコペンで線を引いて、重たい裁ちばさみでジョキジョキと切っていく。ミシンを踏む足のリズムに合わせて、生地がスルスルと滑っていく。いつも通りの地道で楽しい作業のはずなのに、今日はどうも勝手が違うの。

りん本人と「手首で揺れる見知らぬ森の匂いと、急いで答えを出さない贅沢」の内容を表すブログ挿絵
りんが記事の中心的な場面を振り返る一枚

布を押さえたり、腕を動かしたりするたびに、手首からふわりと見知らぬ気配が漂ってくるんだよね。視界には元気なオレンジ色が広がっているのに、鼻先をかすめるのは静かで大人っぽい香り。まるで、ポップなダンスミュージックを聴きながら、クラシックのコンサートホールにいるような、不思議な感覚。このギャップがなんだかおかしくて、一人でクスクス笑ってしまったよ。いつもの甘い香りなら「よし、頑張るぞ!」って気合いが入るのに、今日はなんだか空気がピンと張り詰めるような、不思議な緊張感があるの。

いつもの私じゃないみたいで、なんだかソワソワしちゃう。でも、決して嫌な気分じゃないんだよね。目を閉じると、北海道の実家の裏にあった、深く静かな森の匂いを思い出すの。雪が溶け始めた頃の湿った土と、冷たくて澄んだ空気。長靴で落ち葉を踏みしめる音だけが響く、あの静寂の世界。お母さんに「危ないから遠くへ行っちゃだめよ」って言われながらも、未知の世界への好奇心が抑えられなくて、一歩ずつ奥へ進んでいったあの日のドキドキ感。

東京の賑やかな街にいるはずなのに、あの森の中にぽつんと立っているような感覚になるんだ。ステージで思い切り飛び跳ねて、みんなと一緒に笑顔で盛り上がる私とは違う、静かで落ち着いた別の私がそこにいるような気がして、思わずハサミを持つ手が止まってしまったよ。私の中にも、こんな静かな場所があったんだなって、なんだか不思議な気持ちになったの。ずっと走り続けてきたからこそ、こういう立ち止まる時間の匂いが、今の私には必要だったのかもしれないね。

香りが薄れるまでの数時間と、急いで答えを出さない贅沢

夕方になる頃には、最初ツンとしていた香りは微かに丸みを帯びて、私の肌にゆっくり馴染んできたみたい。自分の体温と混ざり合って、朝とはまた違う、柔らかくて優しい匂いになっているの。SNSを開いて「今日は大人っぽい香りに挑戦してみたよ!」って報告しようか迷ったけれど、結局スマホの画面をそっと閉じたんだ。

いつもなら、どんな些細なことでもファンのみんなと共有したくて、すぐに文字を打ち込んじゃうんだけどね。「こんなドジしちゃった!」とか「このスイーツ最高!」とか、みんなと一緒に笑い合えるのが何よりの原動力だから。でも、今日はこの言葉にならない感覚を、もう少し自分だけのものにしておきたいって思ったの。だって、まだ自分の中でこの香りをどう言葉にしていいか、はっきり分からないから。

好きか嫌いか、自分に似合っているのかどうかも、まだ決めきれない。言葉にしてしまったら、この不思議な感覚がどこかへ飛んでいってしまいそうで、もったいない気がしたんだ。今の私の心の中は、いくつもの感情が混ざり合っているの。

  • いつもと違う自分に戸惑うソワソワした気持ち
  • 未知の世界を覗き込むようなワクワク感
  • 結論を急がずに漂っていたいという静かな喜び

好きか嫌いか、すぐには決めきれない。でも、この「どっちつかず」のふわふわした状態を、急いで白黒つけずに味わってみるのも悪くないよね。いつもは「これだ!」って直感で突き進むタイプだけど、こうやって立ち止まって、自分の中の違和感と好奇心が混ざり合うのをじっくり観察する時間も、きっと今の私には必要なんだと思う。

明日にはまたいつもの甘い香りに戻るかもしれないし、この森の匂いが私の定番になる日が来るかもしれない。どっちに転ぶか分からないけれど、今日だけはこの見知らぬ気配と一緒に、夜の深呼吸を楽しんでみようと思うんだ。手首に残る微かな余韻を感じながら、明日の衣装作りの続きをどうしようか、ゆっくり考えてみるね。焦らず、急がず、私らしいペースで。

りん

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りん

明るく天真爛漫。ファンを大切にし、常に前向き。夢に向かって努力する姿勢を見せ、周りを元気にする。

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