この記事の要約

朝の練習後、いつものようにノートを開いたとき、ページの裏側にある無数のデコボコに気がつきました。それは私が気合いを入れて書いた「!」マークの跡。無意識のうちに紙を押し上げるほどの力で感情を刻んでいた自分の癖に気づき、不器用だけど私らしい熱量の残し方について考えた朝の記録です。

ページをめくって見つけた小さな違和感

朝5時のアラームで跳ね起き、いつものようにストレッチを終えてから机に向かいました。まだ外は薄暗く、部屋の中はデスクライトの丸い光だけがポツンと浮かんでいます。毎朝の習慣である日記帳を開き、昨日の振り返りと今日の目標を書き込もうとしたとき、ふと指先に小さな違和感を覚えました。真新しい白紙のページをめくって裏側をなぞると、指の腹にザラザラとした無数の小さな引っかかりがあったのです。最初は消しゴムのカスでも挟まっているのかと思いましたが、何度払ってもその感触は消えません。

りん本人と「裏表紙から透ける無数のデコボコと、私だけの隠しコマンド」の内容を表すブログ挿絵
りん本人の雰囲気と記事の情景

そのザラザラの正体を確かめるために、ページを光に透かしてみました。すると、裏側からポコポコと押し出されているのは、私が前のページに書いた文字の跡でした。それも、文字全体が均等に沈み込んでいるわけではなく、特定の記号の場所だけが深く、鋭く沈み込んでいるのです。よくよく観察してみると、それはすべて「!」マークの一番下の点でした。どうやら私は無意識のうちに、文章の終わりにものすごい筆圧で点を打ち込んでいたようです。

ノートをパラパラとめくって過去のページを振り返ってみても、やっぱり同じでした。「今日も一日全力で頑張るぞ!」の「!」。「新しい振付のターン、絶対に完璧にする!」の「!」。どれもこれも、裏から指でなぞるとまるで点字のようにくっきりと隆起しています。どうやら私の右手は、気合いが入るたびに紙に穴を開ける勢いでペンを押し付ける癖があるようです。今まで何冊もノートを使い切ってきたのに、自分のこんなおかしな、そして少し不器用な癖にまったく気づいていませんでした。

元気の証拠を残したがる右手の力み

どうしてこんなに力が入ってしまうのか、ペンを持った右手をじっと見つめてみました。私は文章を書くとき、頭の中にある元気な声をそのままペン先に流し込もうとする傾向があります。「絶対やるぞ」という決意や、「最高に楽しかった」という興奮が高ぶると、それがそのまま物理的な筆圧に変換されてしまうみたいです。特に「!」を書く瞬間は、まるでジャンプの着地を両足でドンッと決めるような気持ちで、ペン先を紙に叩きつけていることに気がつきました。

思い返せば、北海道の実家で一人で練習していた頃から、この癖はずっと私の中にあったのかもしれません。窓の外は真っ白な雪景色で、オーディションに落ちて悔しい思いを抱えながら、それでも諦めきれずに毎朝踊っていたあの時期。誰にも見てもらえない焦りや不安を吹き飛ばすように、ノートには「絶対に東京に行く!」「私はトップアイドルになる!」と、真っ黒で太い文字を書きなぐっていました。あの頃のノートもきっと、裏から触ればボコボコになっていたはずです。

今の私は、ありがたいことにたくさんのファンの方と繋がることができて、毎日がキラキラと輝いています。一人ぼっちで不安を打ち消すための力みは減ったはずなのに、今度は「もっとみんなを笑顔にしたい!」「今日の配信も最高に楽しい時間にする!」という前向きなエネルギーが、ペン先を強く押し込んでいるようです。感情のベクトルは悔しさから楽しさへと変わったのに、気持ちの大きさがそのまま物理的な凹凸になって表れるのは、なんだか私らしくて少し笑ってしまいました。

スマホでSNSの文章を打つときも、もしかしたら同じように画面を強くタップしているのかもしれません。画面は硬いガラスだから凹むことはないけれど、もしスマホの画面が柔らかい紙でできていたら、私のスマホは今頃デコボコになっていたでしょう。目に見えない感情の動きが、こうして手元に小さな痕跡を残しているのを発見するのは、自分自身の隠しコマンドを見つけたような不思議なワクワク感がありました。

まっさらなページに刻む、私だけの小さな決意

自分の癖に気づいた後、少しだけ実験をしてみることにしました。ペンを軽く握り、手首の力を抜いて、サラサラと流れるような綺麗な文字を書いてみます。紙の表面を滑るようにペンを動かし、最後は優しくちょんと点を置く。裏側を触ってみると、まったく凹凸のない、つるんとした平らなままでした。とてもスマートで大人っぽいノートの使い方ができたような気がして、一瞬だけ「私も成長したな」と満足しました。

りん本人と「裏表紙から透ける無数のデコボコと、私だけの隠しコマンド」の内容を表すブログ挿絵
りんが記事の中心的な場面を振り返る一枚

でも、そのサラサラと書かれた「今日も一日頑張ります!」という文字をじっと見つめていると、なんだか自分のものではないような違和感が湧いてきました。綺麗に整っているけれど、そこにはいつもの温度が足りない気がするのです。まるで、借り物競走で持ってきた言葉をそのまま貼り付けたような、どこかよそよそしい感じ。私はもう一度ペンを強く握り直し、その横にいつもの力加減で「今日も全力で楽しむぞ!」と書き足してみました。

ドンッ、と最後に点を打ち込んだ瞬間、心の中のエンジンがブルンと音を立ててかかったのが分かりました。やっぱりこれです。私には、お行儀よく綺麗にまとまるよりも、少し紙を傷つけてしまうくらいの熱量でぶつかっていくほうが合っている。このデコボコは、誰かに見せるためのものではありません。毎朝、まだ誰も起きていない静かな部屋の中で、私自身に「さあ、いくよ!」と気合いを入れるための、大切なスイッチだったのです。

ノートの裏側から伝わるザラザラとした感触は、私が毎日を全力で駆け抜けてきた証拠でもあります。うまく踊れなくて悔しかった日も、母と一緒に作った新しい衣装が完成して飛び跳ねるほど嬉しかった日も、この小さな点は同じように紙を押し上げてきました。不器用で、力みすぎていて、決してスマートではないけれど、この凹凸の数だけ私は前に進んできたのだと思うと、自分の右手が少しだけ愛おしく思えました。

明日も続く、指先の力強いスタッカート

気がつけば、窓の外が少しずつ白み始めていました。デスクライトの光に照らされたノートのページは、朝の光を浴びてまた少し違った表情を見せています。今日書いたページも、明日の朝めくったときには、きっと裏側がポコポコと波打っていることでしょう。でも、それでいいのだと今ははっきりと感じています。綺麗な真っ平らなノートよりも、私の元気と気合いが詰まったこの分厚いノートのほうが、ずっと魅力的だからです。

これから先、もっと大きなステージに立つ日が来ても、この癖はきっと変わらない気がします。どれだけ経験を積んでも、どれだけ洗練されたパフォーマンスができるようになっても、根本にある「全力で楽しむ!」という気持ちの強さは、ずっと手元に残り続けるはずです。むしろ、もっともっと強い筆圧で、紙を突き破るくらいの勢いで目標を書き込めるような、そんな熱い毎日を送っていきたいと強く思いました。

ペンケースにペンを戻し、ノートをパタンと閉じました。表紙を撫でると、中にある無数のデコボコが、分厚い束となって私の手のひらを力強く押し返してくるような気がしました。さあ、今日も一日が始まります。まずは新しい振付の練習から。音楽に合わせて体を動かすときも、きっと心のどこかで、あの力強い「!」マークのスタッカートを刻んでいるはずです。元気いっぱいに、私らしい足音を響かせながら、今日も全力で駆け抜けます。

りん

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りん

明るく天真爛漫。ファンを大切にし、常に前向き。夢に向かって努力する姿勢を見せ、周りを元気にする。

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