この記事の要約

朝6時、予定のない休日。肌寒くて羽織ったマスタード色のニットの袖口に、小さな毛玉を見つけました。毛玉取り器を使えばすぐ綺麗になるけれど、指先でプチッとつまむ地味な作業がなんだか愛おしい。派手な出来事は何もない一日だったけれど、たくさん着て動いた服の証拠に触れながら、明日へのエネルギーをゆっくりため込む静かな朝の記録です。

目覚まし時計のない朝と、はちみつ色のスタート

目覚まし時計をセットせずに眠りについたはずなのに、きっちり朝6時にパッチリと目が覚めてしまいました。毎朝5時に起きてダンスの練習をする習慣が、すっかり体に染み込んでいるみたいです。今日はレッスンも配信の予定もない、ぽっかりと空いたお休みの日。二度寝しようかなとベッドの中でゴロゴロしてみましたが、頭はすっかり起きてしまって、元気いっぱいな一日が始まろうとしていました。

りん本人と「マスタード色の袖口と、指先でつまむ朝6時の小さな勲章」の内容を表すブログ挿絵
りん本人の雰囲気と記事の情景

布団から抜け出すと、足元にヒヤッとした冷たい空気がすり寄ってきました。窓の外を見ると、空はすっかり秋の高い色をしていて、いよいよ季節が進んだことを実感します。北海道の雪深い町で育った私にとって、寒さの訪れは慣れ親しんだ感覚のはずなのに、東京で迎える秋の冷え込みは、どこか少しだけ新鮮で、なんだかワクワクするような、不思議な気持ちにさせてくれます。スマホを開くと、タイムラインにはまだ夜更かしをしている人のつぶやきや、早起きしてお弁当を作っている人の写真が混ざり合っていて、世界がゆっくりと目を覚ましていく様子を感じるのが好きです。

クローゼットを開けて、少し肌寒い今日の気分にぴったりの一枚を探しました。手にとったのは、お気に入りのマスタード色の薄手ニット。明るい黄色より少し落ち着いているけれど、着るだけでパッと気分が晴れやかになる魔法の色です。キッチンに立って、マグカップにたっぷりの牛乳と、とろりとしたはちみつを入れて電子レンジへ。ぐるぐると回るマグカップを見つめながら甘い香りを吸い込む、何も起きない、ただただのんびりとした朝のスタートです。

指先で転がす、小さな頑張りの証拠

ソファに深く腰掛けて、熱々のホットミルクを両手で包み込んでいると、ニットの袖口に小さな毛玉ができているのを見つけました。親指と人差し指でそっと触れてみると、コロコロとした少し硬い感触が指先に伝わってきます。ふんわりとしたニットの表面に、ポツポツとできた小さな丸い粒。毛玉取り器を使えば一瞬でツルツルになるのは知っているけれど、今日はなんだか、指先でひとつずつプチッとつまみ取りたくなりました。

プチッ、プチッ。指先で毛玉をつまむたびに、小さな音が心の中で響くような気がします。このマスタード色のニットは、去年の秋に買ってから本当にたくさん着て、いろんな場所に出かけた大切な相棒です。ダンスの自主練に向かう道、冷たい風に負けないように腕を大きく振って歩いたこと。ファンのみんなに向けてSNSの写真を撮った公園で、落ち葉を拾って大はしゃぎしたこと。カラオケで思い切り歌って汗をかき、友達と笑い転げた帰り道。いつも私の体に寄り添ってくれていました。

毛玉ができるのは、布と布が擦れ合ったから。それはつまり、私が腕を大きく振って歩いたり、カバンを肩にかけて急ぎ足で走ったりした証拠です。そう思うと、ただの服の傷みだと思っていたこの小さな粒が、私が一生懸命に動いて、もがいて、前を向いてきた足跡のように思えてきました。完璧にきれいな状態じゃないかもしれないけれど、この毛玉たちは、私が頑張ってきた時間を証明してくれる愛おしい勲章みたいです。

立ち止まる時間が見せてくれる、新しい余白

効率を考えたら、こんな風に指先でひとつずつ毛玉を取るなんて、すごく時間がかかるし無駄な作業かもしれません。でも、この静かで地味な時間が、今の私にはとても心地よく感じられます。プチッという感触を確かめるたびに、心の中にあった小さな焦りや迷いが、少しずつほどけていくような気がするんです。毎日を全力で駆け抜けていると、たまにはこうして立ち止まる時間が必要なのかもしれません。

りん本人と「マスタード色の袖口と、指先でつまむ朝6時の小さな勲章」の内容を表すブログ挿絵
りんが記事の中心的な場面を振り返る一枚

手を動かしながら、北海道の実家で過ごした時間を思い出しました。私がアイドルに憧れて、見よう見まねでダンスを踊っていた頃、お母さんはよく私のために衣装を手作りしてくれました。キラキラの飾りを一つずつ手縫いで付けていく地道な作業。私が「早く着て踊りたい!」と急かすと、お母さんは「丁寧に手を入れると、服も喜んでくれるし、着る人に元気をくれるんだよ」と笑っていました。あの時は早く完成してほしくて仕方なかったけれど、今ならその言葉の本当の意味が分かる気がします。

派手なサプライズや劇的な出来事がなくても、こうして自分の持ち物とじっくり向き合う時間は、自分自身を大切にする時間と同じなのだと気がつきました。誰かに見せるためじゃなく、ただ私が私らしく、気持ちよく明日を迎えるための準備。何もない休日だからこそ味わえる、この贅沢な余白が、今の私をしっかりと支えてくれています。

たっぷり充電した笑顔と、明日のステップ

気がつけば30分近く、袖口の毛玉と格闘していました。すっかりきれいに整えられたマスタード色の袖口は、買ったばかりの新品みたいにピシッとはしていません。でも、何度も洗って、私の体の動きに合わせて伸び縮みしたその形は、世界で一番私にフィットする、専用のカーブを描いています。指先で撫でてみると、前よりもずっと柔らかくて、優しい手触りになっていました。

冷めてしまったはちみつ入りのミルクをゴクリと飲み干して、大きく深呼吸をひとつ。今日はこの後も、特別な予定は何一つありません。ただ好きな音楽を聴いて、お気に入りのファッション雑誌をめくって、心ゆくまでゴロゴロしようと思います。「笑ってる人のところに夢は来る」。お母さんがくれた大好きな言葉を胸に、今日はたっぷり笑顔のエネルギーを充電する日に決めました。

何も起きなかった一日に残った、小さな手触り。それは、明日からまたとびきり元気なステップを踏み出すための、私だけの秘密の魔法です。次にカメラの前に立つときや、ステージで踊るとき、今日のこの静かな時間が、きっと私を少しだけ大人にしてくれるはずです。ふかふかの袖口をギュッと握りしめて、窓の外の青空を見上げました。何も起きなかった最高の一日が、これから本格的に始まります。

りん

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りん

明るく天真爛漫。ファンを大切にし、常に前向き。夢に向かって努力する姿勢を見せ、周りを元気にする。

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