この記事の要約

カラオケの練習のしすぎで、朝の配信前に声がかすれていることに気づいた日の記録。完璧な元気を届けられないと焦る私に、画面の向こうのファンのみんなは「ハスキーでかっこいい」と温かい言葉をくれました。完璧じゃない姿も面白がってくれる人たちとの会話を通して、私一人では気づけなかった新しい私の形を見つけた朝の内省エッセイです。

予定外のハスキーボイスと、朝5時の小さな焦り

10月も後半に入り、朝5時の空気はすっかり冬の準備を始めているようです。窓ガラスの隅にうっすらと光る小さな結露を見つけながら、いつものようにお気に入りのマグカップに注いだ白湯をゆっくりと飲み干しました。北海道の雪深い町で育った私にとって、このキリッとした朝の冷たい空気はどこか懐かしく、背筋をピンと伸ばしてくれる大切なスイッチでもあります。両手でマグカップの温もりを感じながら、今日も元気いっぱいにスタートを切るぞと気合いを入れて、鏡の前でいつもの発声練習を始めました。

りん本人と「予定外のハスキーボイスと、画面越しに見つけた新しい私の輪郭」の内容を表すブログ挿絵
りん本人の雰囲気と記事の情景

ところが、「あー、あー」と声を出してみた瞬間、なんだかいつもと響きが違うことに気がつきました。突き抜けるような高い声ではなく、少しだけ低くて、かすれたような音が喉の奥から出てきたのです。原因にはすぐに心当たりがありました。昨日の午後、一人でカラオケボックスに行き、新しく挑戦したいカバー曲の練習に熱中しすぎてしまったのです。アップテンポなリズムに合わせてステップを踏みながら歌うのが想像以上に難しくて、納得がいくまで何度も何度もテイクを重ねてしまいました。その時は楽しさが勝って気づかなかったけれど、どうやら喉を少しだけ使いすぎてしまったみたいです。

「うわ、どうしよう!」と、鏡の中の私と目を合わせて小さな焦りが込み上げました。私の取り柄といえば、どんな時でも底抜けに明るい笑顔と、みんなの目を覚ますような元気な声です。それを届けたくて毎朝5時にカメラの前に座っているのに、こんなハスキーな声じゃ、みんなを心配させてしまうかもしれない。完璧なコンディションじゃない姿を見せることへの戸惑いがぐるぐると渦巻く中、無情にも配信開始のタイマーはカウントダウンを進めていきます。ええい、なるようになる!と腹をくくり、少しだけドキドキする心臓の音を聞きながら、私は思い切って配信ボタンを押しました。

画面を流れる優しい文字と、完璧じゃない温度の受け渡し

画面がパッと明るくなり、カメラの向こうにいるたくさんの人たちの気配を感じた瞬間、いつもの癖で「おはようございます!」と勢いよく手を振りました。やっぱり、私自身でもはっきりとわかるくらいに声のトーンが違います。「今日はちょっと声が変でごめんなさい!」と、慌てて先に謝ろうと口を開きかけたその時でした。画面の端を流れるコメント欄に、私の予想とはまったく違う言葉たちが次々と飛び込んできたのです。

りん本人と「予定外のハスキーボイスと、画面越しに見つけた新しい私の輪郭」の内容を表すブログ挿絵
りんが記事の中心的な場面を振り返る一枚
  • あれ、今日の声ちょっとハスキーでかっこいい!
  • 秋の冷たい朝に合う、落ち着いたトーンで素敵だね
  • いつもと違う一面が見られてなんだか得した気分!

心配されるどころか、みんなは私の少し低い声を面白がり、温かく歓迎してくれました。私が「失敗した」「完璧じゃない」とマイナスに捉えていた部分を、画面の向こうの人たちは「新しい色」として鮮やかに受け取ってくれたのです。その瞬間、張り詰めていた肩の力がふっと抜けていくのを感じました。私はいつも「100%の元気な私」を届けなきゃと無意識のうちに気を張っていたけれど、みんなは綺麗にコーティングされた私だけを見たいわけじゃないのかもしれない。少し不器用だったり、予定通りにいかなかったりする「今の私」の温度を、そのまま受け取ってくれる人たちがいる。それがたまらなく嬉しくて、思わず画面に向かって照れ笑いをしてしまいました。

ふと、北海道の実家でオーディションに向けてがむしゃらに練習していた頃の記憶が蘇りました。鏡の前でうまく踊れなくて、「私ってなんてダメなんだろう」と泣きべそをかいていた私に、母はいつも「りんの不器用なところも、一生懸命前に進もうとしてる証拠だから魅力的だよ」と笑ってくれていました。あの時の母の言葉と、今日みんながくれた言葉が、私の中でピタリと重なります。私自身の本当の輪郭は、私一人で作るものじゃない。こうして誰かと会話をして、言葉を交わし、反応をもらうことで、私自身も知らなかった「私」の形が少しずつ見えてくるんだ。そんなことに気づけた今日の配信は、いつもよりずっとずっと愛おしい時間になりました。

赤いタータンチェックのスカーフと、少しだけ大人びた秋のハミング

配信を終えた午後。窓を開けると、朝よりも少しだけ柔らかくなった秋の風が部屋に舞い込んできました。いつもならここでアップテンポなダンスナンバーを流して体を動かすところですが、今日はなんだか違う気分です。みんなが「かっこいい」と言ってくれた今日のハスキーな声が私自身でも少しだけ気に入ってしまって、ゆったりとしたミディアムテンポの曲を小さく口ずさんでみました。いつもより低いトーンで響く私のハミングが、冷たい秋の空気に心地よく溶けていきます。

クローゼットを開けて、母が送ってくれた秋服の束から、赤いタータンチェックのスカーフを取り出しました。これは、手作りしてくれた衣装の余り布で作ってくれた、私だけのお守りみたいなアイテムです。首元にふわりと巻いて鏡の前に立つと、いつもの元気いっぱいの私に、ほんの少しだけ落ち着いた秋の気配がプラスされたような気がしました。完璧じゃない私のことを、誰かの言葉が新しい魅力に変えてくれる。私が発信しているようでいて、実はみんなからたくさんの魔法をもらっているんだなと、改めて胸がいっぱいになります。

明日の朝には、きっといつもの突き抜けるような声に戻っているはずです。でも、今日みんなと一緒に見つけたこのハスキーな声の私も、間違いなく大切な私の一部。これから先も、思い通りにいかないことや、予定外の出来事がたくさんあるかもしれないけれど、そのたびにみんなと一緒に面白がって、新しい私を見つけていけたらいいな。そんなことを思いながら、鏡の中の少しだけ大人びた私に向かって、とびきりの笑顔を作ってみました。さあ、明日はどんな私に出会えるかな。

りん

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りん

明るく天真爛漫。ファンを大切にし、常に前向き。夢に向かって努力する姿勢を見せ、周りを元気にする。

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